今回も前回に引き続き、後見人が行うはじめての仕事について見ていきましょう。
●財産目録を作る
ご本人の財産の状況を明らかにして、後見人就任後1ヶ月以内に、家庭裁判所に財産目録を提出します。
選任された後見監督人がいるときは、監督人の立ち合いが必要です。
・不動産について・・・成年後見人が法務局にて登記簿謄本を取得し、権利証に記載されている内容と照合して調査をします。
・銀行や郵便局の預金について・・・各金融機関に届け出たうえで、成年後見人が正式に就任した日を基準として、残高証明書を発行してもらいます。
・株式や有価証券について・・・証券会社に届け出を行います。その後、取引照会をして保有株式などの内容を調査します。
・車について・・・自動車検査証の内容を調査します。
●今後の予定を立てる
ご本人の意向を尊重しつつ、ご本人にふさわしい暮らし方や必要な支援を考えます。
財産管理や身上監護、介護・入院の契約等について本人や関係者と話合い、今後の計画を立てます。
●報酬の申立て
成年後見人が報酬を得るためには、家庭裁判所で「報酬付与」を申し立てる必要があります。
その際には、申立書の他、後見等事務報告書、財産目録やその裏付け資料がなどが必要です。
以上が、成年後見人としてはじめて行う仕事の概要になります。もちろん、早い段階からご本人との信頼関係を確立することも、仕事を進めていく上で大切です。
前回と今回でご紹介した後見人の仕事だけでなく、ご本人と関係者のお話を頻繁に聞くことも、ご本人の考えを尊重した支援ができる鍵となるでしょう。
中島健祐 桃井心